一、漂泊の思い

一、漂泊の思い

月日は百代の過客にして[1]、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人[2]も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年[3]の秋江上の破屋[4]に蜘の古巣をはらひて、やや年も暮、春立る霞の空に白川の関[5]こえんと、そぞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神[6]のまねきにあひて、取もの手につかず。もも引の破をつづり、笠の緒付かえて、三里[7]に灸すゆるより、松嶋[8]の月先心にかりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅[9]に移るに、草の戸も住替る代ぞひな[10]の家面八句[11]を庵の柱に懸置。

注释:

[1]借用李白《春夜宴从弟桃李园序》“夫天地者,万物之逆旅;光阴者,百代之过客。而浮生若梦”中句。

[2]指芭蕉素来敬慕的诗人,如中国的杜甫、李白,日本的西行、宗祇等。

[3]指结束更科旅行回到江户的贞享五年(1688年)。

[4]指位于隅田川畔的芭蕉庵。

[5]白川关,通往奥州的关隘。(详见本书篇目十二)

[6]路神,为设在村境、山冈、十字路口、桥旁等保当地平安之神。这里指行路神,保旅途平安之神。

[7]足三里,穴位名。传说用艾灸灸此穴位可使腿脚强健。

[8]松岛,指位于今宫城县的松岛湾,湾内有260余个形状不同的小岛。日本三景之一。(详见本书篇目二四、二五、二六)

[9]杉风本名杉山杉风,“蕉门十哲”之一。别墅指位于深川六间崛西侧的釆荼庵。

[10]日本每年三月三日女儿节(原依阴历,今据阳历)有陈列偶人的习俗。

[11]百韵连句写在第一张纸上的首八句。连句,俳谐的基本形式,一卷百句。

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